海山Koujirou

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- 海山美味 よもやま話 -

第五回 ふぐの季節到来

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海山では良いふぐさえ手に入れば夏でもお客様にお出ししております。脂肪の少ないふぐの甘い身を薄造りにして、ポン酢を薬味でいただくてっさの味は夏の暑い時こそサッパリと口に美味しく「夏ふぐはまだか?」と心待ちになさっているお客様も少なくはないのです。
とはいえ、寒くなって参りますとちり鍋にしてもおいしくいただけますし、何よりふぐの季節といった感じがしてお客様のご要望が俄然と増えて参ります。
私共では、活の寅ふぐを仕入れてお店で捌いておりますので『この店のてっさは甘くておいしいね』と御好評を頂いております。
お店で捌いた物が何故おいしいのかと申しますと必要以上に水で洗う事なく手早く適切に処理するからです。手際良く水を必要以上に使わないとどうしておいしいのかというと、ふぐの旨味の素となるタンパク質が水溶性である事に由来します。
ふぐのどの部位が必要でどの部分が有毒又は食味が悪く不要であるかという事を不勉強でよく知らない人や、知っていても仕事の為の仕事といいますか、気持ちの入らない仕事・・・つまりやらされている感で仕事をしている様な人等がふぐ毒になる事故を必要以上に恐れて水で洗いすぎる為に水っぽく、味のないふぐになってしまい、不味いてっさ、不味いちり鍋になってしまうのです。
私共では、安全でおいしく食べられる部位がどこで、有毒部がどこのどの部分で、毒がなくともおいしくないのはどこの部分かを勉強熟知し、極力水を使用せず、適切かつ迅速に処理することに腐心しております。
こうして捌いて仕上げたふぐの身は非常に甘く、当たり前の事ですがポン酢につけててっさの味を確認し、これは美味しいてっさであると自信を持ってお客様にお奨めし、提供しております。
もっともふぐ毒のテトロドトキシンも水溶性ですので水で洗う事は絶対必要条件で、もしこれを怠ったなら大変な事態を招きます。
その辺を見極めてキチンと処理されたふぐの料理は安全で本当においしくその癖のない味わいがまたクセになるのです。
昔から「ふぐ中毒」という言葉には2つの意味があると申します。
一つは文字通りその毒に中毒、つまり当る事で本当に恐い・・・場合によっては死に至ると言われております。(関西でもふぐをてっぽうと呼ぶのはふぐもてっぽうも当ると死ぬ・・・という事からだそうです。)
釣り人が自前で調理摂取して、中毒死したという様な物騒な記事を時々新聞等で目にします。ふぐ処理師の資格のない人が安易に調理する事の恐ろしさを身をもって証明されているという事でしょう。
ところでもう一つの意味での中毒とはお酒やタバコ、コーヒー等の嗜好品つまり常習犯の事で、何度か口にした物を体がその味を覚えて定期的に欲求する様になるという意味の中毒です。まあ半分洒落でしょうが、その位美味しい物であるという事でしょう。
またふぐは脂肪分が非常に少ない魚で高タンパク、低カロリーという優れもの、ちり鍋にして味わえば野菜が大変おいしく食べれます上に最後の雑炊がまた格別で、食事のシメククリにはもってこいの風格正にトリを取る貫禄です。(それでいて雑炊なのでお腹にもたれず、低カロリー)そんな訳で高価な食品ではありますが、ふぐは体に優しい美食の優等生であるといえましょう。
12月になりますと白子も少しづつ育って参ります。皆様、ふぐの御予約お待ちしております。

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